飲食店の多店舗展開!2店舗目で失敗しない方法

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1店舗目の開業に成功をすると、2店舗目を開業し他店舗展開をしたいと考える経営者の方もいるのではないでしょうか。本記事では、2店舗目を展開しようとしている方がどのような手順で進めれば失敗を回避できるか、失敗をしない方法をレクチャーします。これから他店舗展開を検討している方は、参考にしてください。

1.多店舗展開のメリット・デメリット

多店舗展開をおこなうと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。多店舗展開のメリット・デメリットについてご紹介しましょう。

1-1.メリット1 売り上げ・収益の増加

多店舗で経営をすると、単純に利益が出るお店が増えるので、結果的に売り上げや収益の増加に繋がります。1店舗目と同様に収益になれば、1ヵ月で2カ月分の収益を生み出すことが可能です。売り上げを飛躍的に増やしたいのであれば、多店舗展開がおすすめと言えるでしょう。

1-2.メリット2 効率化

多店舗で展開すれば、業務内容が効率化できます。新規顧客を獲得するまで時間が必要ですが、多店舗展開の場合、ノウハウを既に持っているため、最短で効果を得ることが可能です。似たような物件を探せば、どのようなイメージで内装工事を進めれば、開店準備までのシミュレーションも必要がないため、開業準備に必要な期間も短縮出来ます。

さらに、オペレーションも既に確立しているため、新規開業時にオペレーション内容を検討する必要がありません。同じ業態で店舗規模も同じであれば、既存店で研修をおこなうことも可能で、通常の開業に比べて効率的に開業準備が進められるでしょう。

1-3.メリット3 リスクの分散

1店舗のみの経営では、そのお店の収益が悪くなってしまった場合、閉店を考えなければいけません。しかし、多店舗展開であれば、赤字のお店があっても、黒字のお店がカバーして、経営母体を支えることが可能です。
また、全体の売り上げが減少しても、いったんお店を整理して、立て直しを図ることも可能です。多店舗経営が結果的に安定的な経営を実現させるでしょう。

1-4.メリット4 スタッフのモチベーション向上

多店舗経営をおこなうことで、別の店舗の責任者を決める必要があります。社員の中には、店長を目指す社員もいます。1店舗しか経営をしていない場合、役職につける社員が限られた人数です。しかし、複数のお店を経営していれば、複数の社員に役職をつけることができ結果として社員へのモチベーションにもなります。

1-5.デメリット1 共倒れする可能性がある

多店舗経営では、赤字状態のお店が多数存在すると、経営母体であるお店まで閉店しなければいけないこともあります。共倒れをしてしまうリスクもあるので、多店舗展開を検討しているのであれば、最悪の事態にならないようなリスク回避を検討しておくようにしましょう。

1-6.デメリット2 各店舗の管理ができなくなる

多店舗経営の場合、1店舗あたりに割ける時間が限られてしまうため、場合によってはお店の品質が落ちてしまうことがあります。特に、店長の人選を誤ってしまうと、サービスの質が落ち、かえって全体の評判を下げてしまうこともあります。
管理不足に陥らないよう、サービスの質が低下しない仕組みを経営者として検討しておくようにしましょう。

1-7.デメリット3 必要経費の増加

多店舗経営をおこなうと、食材費、設備、家賃、スタッフなど、さまざまな費用が倍になります。必要経費が増加するため、必要経費分の売り上げが必要になります。
赤字の店舗が多いと、黒字の店舗がカバーしなければならず、最悪の場合黒字のお店が、他の店舗の経費をカバーするために営業しなくてはならないことも考えられます。
経営状態が悪化すると、黒字経営で営業をしている店舗スタッフのモチベーション低下にもつながる可能性があるため注意が必要です。

1-8.デメリット4 人材の確保

店舗が増えると、人材確保が必要不可欠になります。スタッフが十分に確保できていないと、お店を経営することが難しくなるので、余裕のある店舗がスタッフを応援に回すことができるような仕組みを検討しましょう。

2.2店舗目を出すタイミングは?

多店舗経営で失敗しないためには、出店のタイミングを慎重に見極める必要があります。どのようなタイミングで出店をすると、失敗することなく安定した経営が実現できるのでしょうか。2店舗目を出店する理想のタイミングについて考えていきましょう。

2-1.ポイント1 1店舗目が黒字経営

出店する最低限の条件として、1店目が黒字経営で経営できていることが大前提です。売り上げをカバーするために、黒字経営できていない状態で出店すると、失敗してしまうことがあります。
いくら1店舗目より2店舗目が良い条件の場所としても、1カ月目から安定した集客が期待できるわけではありません。必ず黒字化した状態で出店を検討しましょう。

2-2.ポイント2 出店費用の2分の1程度自己資金で賄える

1店舗目が黒字化していても、出店してはいけないケースがあります。出店してはいけないケースは、自己資金が潤沢でない状態での出店です。黒字化しても、資金に余裕がなければ、2店舗目が赤字の場合補填できない可能性があります。

赤字を補填するためにも、最低でも潤沢な資金を確保しておきましょう。資金の目安は2店目の出店費用に必要な資金が2分の1程度自己資金でカバーできるかどうかが重要です。
資金に余裕が無ければ必要な資金が確保できるまで、多店舗展開を留めておくようにしましょう。

2-3.ポイント3 他店舗を任せられるスタッフがいる

資金だけでなく、2店舗目を任せられるスタッフが数名いるかどうかも重要です。必要なスタッフ数を揃える必要はありません。しかし、開業時に信頼できるスタッフが数名必要になります。
他店舗を任せられるスタッフがいるかどうかを精査したうえで、検討するようにしてください。任せられるスタッフがいないのであれば、出店前に教育しておくことが大切です。自分の分身となるようなマインドの持つスタッフ教育に力を入れるようにしましょう。

2-4.ポイント4 半年前から計画を立てる

多店舗展開を検討しているのであれば、最低でも半年前から計画を立てるようにしてください。多店舗展開は行き当たりばったりで成功するわけではありません。計画をしっかり立てて、失敗のないように計画をしましょう。
半年後に開業ができるイメージで、店舗探し、資金確保、人材教育に力を入れて準備を進めるようにしてください。

3.2店舗目が失敗する原因と対策

ベストなタイミングで出店をしても、2店舗目の経営が改善しないこともあります。なぜ、綿密な準備をしても失敗してしまうのでしょうか。失敗を回避するために、主な原因をある程度把握しておく必要があります。ここからは、2店舗目が失敗してしまう原因と対策を紹介します。失敗事例から自分のお店の対策を考えておきましょう。

3-1.十分な収益を確保できていない

失敗してしまう最大の原因として、収益が十分確保できず赤字状態が続いてしまうことが考えられます。いくら立地状況の良い場所で出店しても、ニーズが合わない、競合店の存在で収益が確保できないことも考えられます。
予想していた収益を確保するためには、出店計画の見直しが大切です。出店計画を検討する際は、1店舗目のデータを参考にしながら考えるようにしてください。大切なことは、楽観的な計画を立てないことです。1店舗目で記録した最悪の状態を想定しながら、出店すべき場所を検討しましょう。

3-2.スタッフ采配の失敗

信頼できるスタッフを確保できていないと、2店舗目が良い条件のお店でもサービスの質が落ち、結果として客足が遠のいてしまうことが考えられます。信頼できるスタッフでも、環境が変わることでモチベーションが落ち、結果的に無責任な対応をすることも考えられるでしょう。
サービスの質を落とさないよう、優秀な人材を確保するだけでなく、お店のプラスとなるようなスタッフを配置することも大切です。
2店舗目を任せるスタッフは、1店舗目で信頼できるスタッフを一方的に選ぶのではなく、2店舗目で働く気がないかヒアリングをしっかりおこないましょう。スタッフが同意をしてもらえない時は、スタッフが納得するような条件や要望を聞くようにしてください。無理に交渉するのではなく、スタッフは納得して2店舗目で働けるような制度を作りましょう。

4.多店舗展開を目指すなら、1店舗目から気をつけること

多店舗展開を目指すのであれば、突如プロジェクトを立ち上げるのではなく、1店舗の開業時から次のようなことを意識すると、成功しやすいです。1店舗か下記のポイントに意識をしながら開業するようにしましょう。

4-1.資金の確保

1店舗目から資金確保をおこないましょう。黒字の何%かを新規店舗の開業資金に回すと設定しておきましょう。開業当初から資金確保をおこなうのではなく、資金回収、2店舗目の資金調達のように、段階的に準備を進めるようにしてください。資金確保が出来た段階で、本格的な準備を進めるように心がけましょう。

4-2.正社員の徹底した教育

1店舗目で働く社員やアルバイトスタッフで、モチベーションの高いスタッフは、2店舗目の責任者として任せる予定であることを伝えましょう。多店舗展開が本格的にスタートした段階で人材を選定することも大切です。
責任感を持たせるため、開業時のプロジェクトメンバーとして、内装やマニュアルなど開業時の準備を任せると、スタッフのモチベーションも上がります。スタッフのモチベーションが上がる工夫も考えるようにしましょう。

4-3.効率化したマニュアルの作成

1店舗目から多店舗展開を意識したマニュアルを作成しておくことも大切です。マニュアルを作成する際は、そのお店でしか通用しないものではなく、汎用性の高いものを作成しておくようにしましょう。

汎用性の高いものを作成しておけば、多店舗展開の際に新たなマニュアルを考える必要がなくなります。マニュアルには、スタッフのマニュアルだけでなく、開業準備に必要なマニュアルも作成しましょう。
使用する設備や、取引先などもリストアップして自分が開業準備に1から携わらなくてもよくなります。

5.まとめ

多店舗展開は飲食店を安定して経営するためにメリットが多く、おすすめの経営方式です。飲食店の規模が拡大した段階で、多店舗展開を検討しましょう。
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