飲食店開業を失敗させないために考えるべきこと!

Restaurant failure

飲食店を開業しても経営に失敗してしまう可能性があります。飲食店は簡単に開業できる一方で、油断をするとすぐに閉店に追い込まれる危険性を把握しておく必要があると言えるでしょう。本記事では、飲食店で失敗しないためにどのようなことを考えるべきかを紹介します。

1.飲食店の厳しい現実

飲食店は、開業しやすい業種の一方で、生き残るためには工夫が必要です。開業後1年で 30%の飲食店が閉店し、50%が2年後に閉店に追い込まれているというデータがあります。このデータを見ても、飲食店がいかに厳しい状況であるかが分かります。

さらに、市場規模も飲食業界は頭打ちしており、今後も規模の縮小が予想されます。原因の1つには、中食(なかしょく。惣菜やお弁当など家に持ち帰って食べるもののこと。)と呼ばれる産業の発展があり、飲食店は他のお店だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーといった相手との競争に勝たなければなりません。

ただでさえ厳しい状況の外食産業ですが、今後はさらなる厳しい局面を迎えることが予想されます。「コロナ禍」に突入し、コロナ対策が必要不可欠となった現在は、多くの飲食店が閉店に追い込まれています。

その中で、ゴーストレストランやデリバリー事業など、既存の飲食店の常識には無かった新業態が登場し、飲食店業界を席巻しています。今後も飲食店業界は、コロナ禍対策をしつつ、飲食店を残すための戦略を練る必要があると言えるでしょう。

2.経営に失敗してしまう原因を探る

経営に失敗しないためにも、お店の現状を把握することが大切です。お店がうまく経営できないと感じているのであれば、対策を検討するようにしましょう。
失敗の原因として考えられるものは以下の通りです。

・自分のこだわりだけで料理を出していないか
・資金繰り
・集客方法
・従業員の教育方法

経営がうまくいかず失敗してしまうお店の多くが、以上の4つの原因についてしっかり対策ができていないことが多いです。何が原因なのか問題を解消するために、以下の章で1つずつ細かく解説をしていきましょう。

3.自分のこだわりだけで料理を出していないか?

飲食店をはじめる人の中には、「原価が安そうなので、おでん屋をはじめたい」と考える人や、「蕎麦屋に憧れがあり、蕎麦屋を始めたい」、「焼鳥が好きだから、焼鳥屋を始めたい」といった、個人的な希望で開業するケースも珍しくありません。

個人的な希望をきっかけにして開業する方法は、決して間違ったアプローチではないものの、失敗するリスクもあります。失敗してしまう原因は、「マーケティング不足」が原因です。

3-1.飲食店はマーケティングが必要

飲食店は需要がなければ、誰も来店してくれません。来客を可能にするためには、どのような需要があるのか、出店するエリアの需要を調査し、需要を満たすようなお店を開業する必要があります。

そのような調査をせずに、ただ自分のやりたいお店をやる、自分が作りたい料理を提供するだけでは上手くいくはずがありません。このようなお店は、需要を全く満たしていません。

マーケティングをしっかりしていない飲食店は、不安定な経営に発展してしまう恐れがあり、失敗するリスクが高くなります。出店をするのであれば、必ず出店地域の需要を調べ、自分が出店しようとしているお店は需要が本当にあるのか確認して出店を検討するようにしましょう。

3-2.リサーチ方法の失敗

リサーチやマーケティングをしっかりしていても、失敗するケースがあります。最もわかりやすい事例が、タピオカ店です。一時は爆発的に人気があった業種ですが、今では多くのタピオカ点が閉店に追い込まれています。

原因は、一過性によるブームと、競合店の乱立です。今流行しているからという甘いリサーチで出店をすると、失敗してしまう恐れがあります。リサーチをする際は、トレンドを調査するだけでなく、将来的に長期間にわたり、経営が可能な業種を選ぶように心がけましょう。

4.資金繰りをきちんと考えているか?

開業を検討している方の中には、資金繰りを真剣に考えずに開業を進めてしまう方も珍しくありません。「開業し、利益が出れば大丈夫だろう」という安易な考え方では、資金繰りに行き詰ってしまう可能性があります。

失敗しないために大切なことは、お金の出入りのタイミングを正確に把握することです。仕入れや経費の支払いがカード支払いの場合、口座からの引き落とし日はいつなのか、請求書支払いの場合、支払期限はいつなのか、またお客さんがカードで支払った売上はいつ入金されるのか等、その月の経費、売上と言っても、入出金のタイミングは様々です。

黒字で経営できているのに、資金が不足したために、閉店を余儀なくされるお店があるのが現状です。

お金の出入りのタイミングを正確に把握できていれば、資金の不足を事前に把握でき、対応策を講じることもできます。赤字か黒字かだけでなく、資金繰りも入念にシミュレーションし、余裕を持った運転資金を確保しましょう。

5.集客をきちんと考えているか?

飲食店を安定的に経営するのであれば、集客をきちんと考えておく必要があります。オフィス街や都市部に出店をすれば、簡単に集客が可能という考え方では失敗してしまう可能性があります。

集客を成功させるためには、事前に出店エリアの調査をおこない、集客がどの程度見込めるのか確認する必要があります。1日だけの調査だけでなく、可能であれば1週間の流れを把握し、集客がどの程度可能なのか検証しましょう。

また、集客数がある程度確保できるエリアでも、将来性を把握することが大切です。
集客が悪いエリアでも、将来的にタワーマンション建設など人が多く集まる可能性があるエリアでは、安定した収益が期待できる可能性があります。飲食店を経営するうえでは、最低どの程度集客が必要なのかを考えたうえで出店を検討するようにしましょう。

6.従業員教育をしているか?

飲食店経営の難しさの中に、人材の確保があります。良い飲食店では、優秀な人材をある程度確保した状態で、経営をするため、余裕をもった接客が可能です。

一方で、経営に失敗している飲食店では、人材の確保に失敗し、欠員などが多くなってしまい、結果として運営をするのにも精一杯になり、経営者でもあるオーナーがお店に出て接客しなければいけない状況が生まれてしまいます。

安定したお店を経営するためには、スタッフの最低人数で運営をするのではなく、余裕を持った経営が必要です。
安定したスタッフを確保するためには、スタッフの教育をしっかりしておく必要があります。スタッフの教育が行き届くと2つのメリットがあります。

・自分が不在な状態でもお店を円滑に運営できる
・バイトテロを未然に防ぐ

飲食店の中でバイトテロが発生し、お店の経営状態がよくても閉店に追いやられてしまうケースがあります。バイトテロを防ぐためにも、従業員教育をしっかりしておくようにしましょう。

7.飲食店としてできること

以上のように、飲食店としてやるべきことは様々です。それ以外でも飲食店としてできることは数多くあります。飲食店として何ができるのか、さまざまな点を見直すようにしましょう。

7-1.オペレーションの見直し

経営状態が改善しない飲食店の中には、オペレーションに無駄があるケースも考えられます。今のお店の運営に本当に問題がないのか確認をし、オペレーションの改善をしましょう。オペレーションに無駄があれば、無駄を改善し、最適な人数で運営ができているのかを確認するようにしましょう。

7-2.原価の見直し

売り上げを伸ばすために、原価の見直しをすることも大切です。仕入れ値が高ければ必然的に目標売り上げも高く設定する必要があります。今の売り上げを維持するために、本当に仕入れ値が適しているのか、もう一度見直すようにしましょう。

7-3.新しい事業を取り入れて売り上げを確保

オペレーションや、仕入れ先の検討など、あらゆる手段を検討しても、業績が改善しないのであれば思い切った改革が必要です。お店に取り入れていないのであれば、配達事業の検討もしましょう。
現在飲食店の多くが配達事業を取り入れています。配達事業を取り入れたことで、安定的な売り上げを確保するだけでなく、業績を伸ばしたケースも珍しくはありません。配達事業やテイクアウトなど、時代に合わせた事業の導入を検討しましょう。

7-4.行き当たりばったりの経営をしない

飲食店の失敗をしてしまうケースに共通することが、「なんとなく」で経営をしてしまうことです。失敗しない経営をするためには、「なんとなくこれがうまくいく」ではなく、成功する事業戦略をしっかり練る必要があります。
飲食店を何となくではじめると失敗してしまう恐れがあるので、必ず事業に取り組む際は、成功する戦略を練ったうえで事業に取り組むようにしましょう。

7-5.成功するために大切なことは

飲食店は2年後には半数以上が失敗してしまう可能性があり、運営をする際には注意が必要です。失敗しないために必要なことは、「計画性のある経営」を検討しながら開業をすることです。
飲食店の経営は、一つの会社を運営することと同じことだと認識し、運営をするように心がけましょう。

8.まとめ

飲食店を開業予定の方、経営がうまくいっていない飲食店は、今回紹介したポイントを見直し改善すべきポイントを検討しましょう。

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