経営者が知っておくべきイタリアンレストランを開業するために必要なこと

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今や日本のレストランには欠かすことができないイタリアンレストラン。これからイタリアンレストランを開業するためには、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。イタリアンレストラン開業のポイントを紹介しましょう。

1.イタリアンレストランの業態について

ひとことでイタリアンレストランといっても、さまざまな業態が存在しています。
開業をするのであれば、イタリアンレストランがどのような業態があるのかをある程度把握しておく必要があります。

1-1.特化型専門店

イタリアン料理の中でも代表的なメニューの1に特化したレストランがあります。
パスタ、ピッツァなど特定のメニューを絞ることで、カウンター形式の小規模なお店として開業も可能です。低資金での開業が可能で、効率のよい収益が期待できます。

その一方で、専門性の高いお店は既にたくさんのお店が存在しているので、それらとどのような違いがあるのかを示す必要があります。
専門店として開業する場合は、オフィス街、郊外、都市部によって戦略が異なるので、それぞれの特徴を理解してどのようなお店にすべきかを検討しましょう。

1-2.ビュッフェスタイル

イタリアン料理は肉料理、パスタ、ピッツァなどさまざまなメニューの用意が可能なので、ビュッフェスタイルのお店を開業することも可能です。
ビュッフェスタイル形式のお店に業態を変えることで、食品を減らし、売り上げの予測を立てやすいため効率の良い集客が期待できます。

一方で、ただイタリアン料理の食べ放題ができるとアピールするだけでは集客が期待できません。そのため開業をおこなう場合は、食べ放題の中でも何に特化をするかが重要です。パスタの種類が豊富、焼きたてのピッツァが食べ放題といった特徴があると集客が期待できるので、ぜひ開業時には検討をしておくように心がけましょう。

1-3.イタリアンバル

ここ数年の流行になっている業態が、イタリアンバルです。イタリアンバルは、20代〜50代をメインターゲットとし、さまざまなお客さんが足を運ぶことが可能です。
料理だけでなく、お酒でも利益を生むことが可能となるので、居酒屋のようなお店を経営したいと検討している方は、イタリアンバルがおすすめです。

イタリアンバルは、大衆向けにするのか、高級路線でお店を開業するのか戦略によって必要になる経費が大きく異なります。どちらのお店でも、内装のコンセプトが変わるので、開業しようと検討している方は、まずはイタリアンバルでどのようなお店を開業したいか検討してから準備をするようにしてください。

1-4.カフェ

イタリアンレストランの中でも、くつろぎを意識したおしゃれなカフェで開業するケースも珍しいことではありません。
カフェを開業する際は、店内の雰囲気をどのようにするかしっかりと検討しておく必要があります。

イタリアの街を再現したおしゃれな雰囲気、女子会、読書など長時間滞在してもくつろげるようなソファ席、テラス席の設置など、他の業態以上に内装にこだわる必要があります。
開業資金が他の業態に比べて高くなってしまうという恐れがあるものの、開業して固定客を獲得できれば長期的に安定した経営も難しいことではありません。

2.イタリアンレストラン開業に必要な資金について

イタリアンレストランを開業すると、どの程度の資金が必要になるのでしょうか。必要になる資金について考えていきましょう。

2-1.開業費

新規のお店として開業を検討する場合は、開業費が必要になります。まずは開業するお店探しをするために、空き店舗を探す必要があります。
さらに店舗契約をすると、開業までに1~2ヶ月の家賃を先に支払う必要があります。物件を取得するためのお金がある程度必要になるので注意が必要です。
材料をどこから仕入れるか、仕入れ先を検討する必要があります。
仕入れ先は業態によって異なりますが、300~400万円程度必要になると認識しておくと良いでしょう。

さらに、オープンに向けて販促活動もおこなわなければなりません。チラシを周辺地域に配布するのであれば、100万円程度の印刷費が必要になります。

2-2.設備投資

最も開業資金で必要になる費用が設備投資です。
居抜き物件をそのまま流用してお店を開業することも可能ですが、多くが1から内装を設計する方法です。
場合によっては水道管、電気設備を再度新規で配置しなければならないケースもあり、おおがかりな準備が必要になることもあります。

設備投資で特に重要なるものが、内装・外装です。イタリアンレストランにするためには、おしゃれな装飾が必要になります。300〜400万円あれば、ある程度の内装に仕上げることが可能です。

しかし、こだわって設計すると、イタリアから直接取り寄せなければならない家具なども存在します。
壁紙、照明、テーブルと細部にこだわればこだわるほど、予算がかかるので、どの程度予算を割くことができるか検討しておきましょう。

また、内装・外装だけでなく、厨房に必要な設備を整える必要があります。
ピッツァを仕上げるための釜を設置する場合は、専用の業者に依頼をする必要があり特注品になればそれなりに費用が高くなる可能性があります。
また、パスタ専門店ならパスタを製麺するための製麺機、イタリアンバルならワインセラーなど、業態によって必要な設備が異なります。どのような設備が必要なのか、慎重に検討してください。

2-3予算を設定しておく

開業資金、設備投資の他に、人件費や光熱費も必要になります。開業するときはどの程度の予算をかけることができるかあらかじめ予算設定をおこなうようにしてください。
新規開業をするのであれば、900万円程度の開業資金が必要になる可能性があります。

資金不足が予想される場合は、国庫支援金などを活用して開業資金の負担を極力少なくするように心がけてください。

3.他の飲食店と比較してイタリアンレストランを開業するメリット

イタリアンレストランとして開業するメリットとして、どのようなものがあるのでしょうか。開業するメリットについて紹介します。

3-1.集客がしやすい

さまざまな業態で開業ができるので、集客がしやすいという特徴があります。
またイタリアン料理というものが一般的に広まったおかげで、立地の良い場所に開業すればある一定数のお客さんの集客を期待が可能です。

さらに看板メニューなどを開発すれば、固定客の獲得も可能なので、より安定した経営が可能になります。

3-2.軌道修正をしやすい

集客で苦戦をしてもイタリアンレストランとして軌道修正をすれば、再び顧客を獲得することが可能になります。

例えば、ピッツァ専門店で開業したら集客が期待できなかったというお店であれば、他のパスタ、ワインなどを扱うことで集客が期待できるだけでなく、テイクアウトも実施すればレストランに来店しない顧客を獲得することが可能になります。

3-3.海外観光客もターゲットにできる

本場のイタリアンレストランとして開業をすれば、日本国内の観光客だけでなく、海外観光客にターゲットを絞ったお店を開業することも可能です。さらに評判になれば、ホテルへの出店などを打診されることもあります。
もちろんお店としての地位が高くなれば、ミシュランガイドで紹介されるようなお店に成長することも可能なので、グローバルな展開も可能です。

4.ソムリエについて

イタリアンレストランの中には、ワインの専門家でもあるソムリエを雇い経営しているお店も珍しいことではありません。
イタリアンレストランにソムリエを雇う必要はあるのでしょうか。雇うべきかどうか迷っている方は、次のようなポイントを整理して検討をしましょう。

4-1.雇うメリット

ソムリエを雇うことで、他のイタリアンレストランとの差別化が可能になります。ワインをただ提供するだけでなく、専門店な知識がくわわることで、満足度の高い食事を提供することが可能になります。
ミシュランガイドやホテルへの出店などを検討している場合はソムリエの存在が必要不可欠となるので、必ず雇うようにしてください。

4-2.デメリット

ソムリエのデメリットは特にないものの、ソムリエを雇うための人件費とワインセラーへの設備投資が必要不可欠になります。
ソムリエを最大限活かすためには、ワインセラーが必要になります。ワインセラーがなければ、ソムリエの活躍を期待できる範囲が限られてしまうので注意が必要です。

4-3.ソムリエを兼任する

ソムリエを雇うまではできないが、ワインで差別化をしたいと検討している方は、スタッフにソムリエの資格の持つスタッフを雇うようにしてください。
このようなスタッフを雇うだけで、専門性を高めることが可能になります。

資格を取得するまでにある一定の期間が必要になりますが、お店の差別化にもつながるので、ぜひソムリエを兼任したスタッフを育てるように検討してください。

5.開業を成功するために必要なこと

イタリアンレストランの開業を成功するためには、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
開業を成功するためのポイントを整理しておきましょう。

5-1.トマトソース開発に力を入れる

イタリアン料理は、さまざまな料理でトマトソースを使うことになります。
トマトソースをしっかり開発しないと、他のお店と同じような味になってしまい差別化ができない可能性があります。

イタリアンレストランとして成功をしたいのであれば、どのようなトマトソースを作るのか、開業前から試行錯誤をおこない制作をするようにしてください。
トマトの産地はもちろんのこと、酸味、甘味、旨味などの成分を細かく決めてトマトソースを開発するようにしましょう。

5-2.ターゲットを明確にする

ターゲットを明確にしましょう。このとき重要なことはどこの時間帯で稼ぐのかを決めておくことです。
イタリアンレストランは業態を細分化できる一方で、ターゲットの選定が最も重要になるので、はっきりと明確化するように心がけましょう。

6.まとめ

イタリアンを開業するためには、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
これから本記事で紹介した内容を参考にして、開業準備を進めてください。

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