一人で飲食店開業!こう工夫すればやっていける極意を伝授!

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食店を開業する方の中には、思い切って自分一人でお店を運営できないかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。本記事では、一人で飲食店を開業するために必要なことは一体何かについてご紹介します。

1. 一人でやるメリット、デメリット

一人でやると、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれについて紹介していきましょう。

1-1.メリット①人件費を抑えられる

一人で切り盛りをする最大のメリットは、人件費を抑えられるところです。通常のお店であれば売り上げから人件費を割り当てなければいけません。しかし、人件費を割り当てることを考える必要がないため、経費のことを考えなくてよくなります。

一人で切り盛りをすれば、売り上げを全て自分の裁量で好きなように扱えます。結果として他の飲食店よりも自由度の高い資金の使い方が可能になると言えるでしょう。

1-2.メリット②なかなか潰れない

一人で切り盛りをしているお店はすぐに潰れそうなイメージがありますが、決してそうではありません。人件費を支払う必要がないため経費は家賃、電気水道代など決まった固定費のみになります。

さらに、経営が良い時は売り上げの黒字部分を余剰資金としてプールできるため、経営が苦しい時の補填費用として当てることができます。

1-3.デメリット① 自分で全てやる必要がある

飲食店を切り盛りする上で必要な調理、準備、清掃、接客、開店閉店作業を全て一人で行う必要があります。場合によっては業務時間が多くなり、営業時間外の作業が多くなってしまう可能性があることも認識しておきましょう。

1-4.デメリット② お客さんを待たせてしまう

調理や接客の効率が悪ければ、お客さんを待たせてしまうこともあります。あまりに長時間待たせてしまうと、結果的にお客さんの評判を落とし、常連客を獲得する機会を失ってしまうことがあります。

2.一人で切り盛りするために工夫できること

一人でお店を運営するためには、通常の飲食店以上に細かい配慮をする必要があります。切り盛りをする際は、次のようなことに注意をして切り盛りするように心がけましょう。

2-1.お店のレイアウトを工夫

一人で切り盛りをするためには、レイアウトを工夫する必要があります。特に調理をしながらお客さんに料理を提供する必要があるので、無駄のない動線を検討することが大切です。お店のレイアウトで困っている方は、まずはカウンターをメインになるようなお店を検討しましょう。

カウンターではなくテーブル席が必要な居酒屋やレストランを検討しているのであれば、オープンキッチンにして見渡せるような工夫をしてください。

2-2.料理の提供方法の工夫

一人で切り盛りをするのであれば、料理内容を慎重に検討する必要があります。メニュー数が多いと対応ができないことがあります。提供する際はメニューを数種類に設定し、効率よく提供できる方法を考えましょう。

それでもメニュー数を多く増やしたいのであれば、仕込みなどで対応ができるメニューを検討してください。

2-3.券売機の導入

接客・調理の間に会計作業も行う必要があり、ピークタイムには対応ができないこともあります。可能であれば、券売機を導入しましょう。券売機の導入ハードルが高ければ、会計を分かりやすくすることも大切です。

料金を一定にし、どのようなメニューを注文しても同じ料金になるような工夫も有効です。ぜひお店の方針に合う会計方法を検討するようにしてください。

2-4.定休日をしっかり作る

一人で切り盛りをするのであれば、必ず定休日を作るようにしましょう。定休日を設けることで、無理のない働き方が可能になります。また定休日を1日しか確保できない場合は、営業時間を工夫しましょう。

営業時間は出店するエリアによって異なるので、開業するエリアの人の動きを観察しながら自分にとって最適な定休日を作りましょう。

定休日を作っても、体調を崩してしまうことがあります。少しでも無理だと感じる時は臨時休業を作るようにしてください。長期間にわたり営業できないことを避けるため、無理なく営業ができる生活リズムを意識するようにしましょう。

2-5.身内を使う

一人でもどうしても対応できない時は、身内に協力をしてもらいましょう。身内であればアルバイトスタッフのような人件費を発生することなく手伝ってもらうことができます。

どうしても一人で切り盛りが難しいピークタイムの時間帯だけ、お子さんや奥さんなどに協力してもらい、乗り切る方法を考えるようにしてください。

3.一人でできる飲食店の業種とは?

一人でも切り盛りができる業種とは一体どのようなものがあるか、業種についてご紹介します。

3-1.ラーメン店

一人で切り盛りする飲食店で最もやりやすいものが、「ラーメン店」です。券売機を設置すれば、お客さんとの金銭のやりとりをすることなく調理に集中が可能です。さらに、小規模の店舗で契約をすれば、狭いスペースで全ての業務をこなしながら営業が可能です。
ラーメン店の業務が慣れている人でも、10人程度に設定し、運営をするようにしましょう。

3-2.カレー店

メニューが少なく回転率が良いという理由で、カレー店もおすすめです。カレー店にすれば、ルーを開店前に仕込むことができるので、ピークタイムも効率よくお客さんの対応が可能になります。

一方でトッピングメニューを増やしてしまうと、お店でやるべき業務が増えてしまう恐れがあるので、トッピングは最大5種まで、辛さなどの調整を分かりやすくするため3種類に分けるなど、極力ミスのないように単純なメニュー方式を心がけるようにしてください。

3-3.定食店

狭いスペースであれば、定食屋の切り盛りも可能です。メニューを三種類程度に限定し、差別化を図ることで一人で運営することも決して難しくはありません。また一人で運営をしているお店の中には、お客さんへの注文方法や、独自の企画で人気を集めているお店もあります。

3-4.寿司屋

一人で切り盛りするお店で、お客さんの単価を少しでもあげたいという方は、寿司屋がおすすめです。慣れている人であれば、数人を相手に寿司を握ることも可能です。しかし、メニューを豊富にすると、失敗してしまうこともあります。徐々にメニュー数を増やし、効率の良い運営を心がけましょう。

3-5.テイクアウト専門店

店内のお客さんへの接客が難しいと感じている方であれば、テイクアウト専門店もおすすめです。テイクアウトに特化することで、お客さんの接客を省くことができ調理に専念ができます。

キッチンカーとして活動をすれば、出店場所を選ばず様々な場所で営業を行うことも可能です。コストを極力抑えたいという方は、テイクアウト専門店を検討しましょう。

4.一人で飲食店経営に成功している実例

実際に一人で飲食店経営に成功しているお店も多くあります。実際に成功している事例をいくつかご紹介していきましょう。

4-1.PADDA

名古屋にある一人で切り盛りをするフランス料理店です。席数は10名程度で、オーナーが料理を作りながら接客をしています。忙しい時は夫妻で協力して対応することがありますが、従業員を雇うことはありません。
接客をスムーズにおこなうため、オープンキッチンにしてお客さんの動きが見えるようにレイアウト段階で工夫をしたからこそ、フランス料理でも少人数スタッフでの運営が可能になっています。
一人で切り盛りをすることを想定しているのであれば、お店のレイアウト段階で動線を考えることが大切です。ぜひ参考にしましょう。

一人で切り盛りできる理想のフランス料理店

4-2.トラットリア アルレッキーノ

新松戸にあるイタリアン料理のお店も、ワンオペでの経営に成功しているお店です。ランチタイムはメニューを限定し、お客さんを待たせないよう工夫をしながら運用を心がけています。最も意識していることは、事前の仕込みです。仕込みをしっかりしておくだけで、注文を受けた後に、簡単な調理をしてその後スムーズな提供をできるようにしています。

5.成功しているお店の共通点

一人での切り盛りを成功させている要因は何なのでしょうか。成功をするためにはどのようなことが必要なのか、成功しているお店の共通点から考えていきましょう。

5-1.オーナーの経験が豊富

有名レストランでの業務を経験した方が、自分が学んだノウハウを生かして一人で運営をしているケースです。1人で開業・経営をいきなり始めることはリスクが高く、ノウハウをある程度学んでおく必要があります。

飲食店経験が全くない方がワンオペのお店をおこなうのであれば、ノウハウを学ぶまではメニューを限定的に絞るなど工夫が求められます。出店を検討しているのであれば、必ず成功している事例を研究し、何をすべきかを確認するようにしましょう。

5-2.オペレーションがしっかりと練られている

一人で経営をするためには、オペレーションを一人で無理できなくできるものにする必要があります。開業前にオペレーションをしっかり練っておくことが大切です。オペレーションを計画するだけではなく、必ずプレオープンなどをおこない、実際に運用に問題がないのか確認をするようにしましょう。

プレオープンの無い状態でお店を開業すると、失敗してしまう恐れがあります。開業前にワンオペでも問題のないオペレーションなのかを必ず確認しましょう。

5-3.10人程度の小規模のお店

成功しているお店はシェフの能力が高いお店でも、10名程度にとどめています。いくら1人で切り盛りができるお店でも、10人以上収容するお店ではどうしてもオペレーションに遅れが発生してしまう可能性があります。

これから店舗を開業するのであれば、10名程度が収容できるお店を想定して開業準備を進めるようにしましょう。

5.まとめ

1人で切り盛りをするお店でも、しっかりと計画を練ったお店は失敗する可能性が低くなります。お店を成功させるために、運用マニュアルをしっかりと設定し、トラブルのないような開業準備を進めるようにしましょう。

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