飲食店の基本!厨房・客席のレイアウトの考え方を紹介!

Drawing

飲食店経営をするうえで大切なことは、飲食店のレイアウトを計算することです。どのような店舗を経営するのか、レイアウトをしっか考えておくと、開業後安定的な運営が期待できます。本記事では、飲食店をこれから開業する方のために、賢いレイアウトについて紹介をします。

1.飲食店レイアウトの考え方

繁盛店の飲食店は、店内・厨房のレイアウトが計算し尽くされ無駄のない設計が特徴的です。どのようなレイアウトにすれば、集客が期待できるのか、基本的なレイアウトの考え方について紹介していきましょう。

1-1.座席数の目安

飲食店を経営する上では、何名程度のお客さんを収容するかを計算する必要があります。座席数の目安を設定する際には、お店の業態を考慮したうえでレイアウトを考えるようにしてください。

一般的に高単価のお店は客席数が少なく、低単価のお店になると客席が多くなるという傾向があります。経営する業態を意識しながら、1坪あたり1.5〜2席でどの程度席を配置すべきかを意識するようにしましょう。

1-2.テーブル間の距離

テーブル間の距離は20センチ以上あると、お客さんが不快なく楽しい時間を過ごしてもらえると言われています。しかし、業態によってはより狭く設定するケースもあります。

例えば、立ち飲み屋の場合では、客席はカウンター席のみとなり、客同士のコミュニケーションを高めるために、客同士の距離をあえて縮めるという方法もあります。
お店のコンセプトによってテーブル間の距離が異なるため、テーブル間の距離を設定をする際は、どの程度の距離で設定をすべきか検討するようにしましょう。

1-3.客席パターン

お店のレイアウトを華やかなものにするのであれば、客席パターンをいくつか組み合わせるアプローチも効果的です。カウンター席、テーブル席、ソファ席と利用するお客さんを想定して設置をすると、特定の客層だけではなく、カップル、女子会、ファミリーと様々な客層を獲得できる可能性があります。

しかし、良いレイアウトを考えても、業態とマッチしていなければ理想的な客を獲得する可能性ができないケースも考えられます。レイアウトを設定する際は、「居心地の良い素敵な空間」と「業態に見合ったレイアウト」を意識しながら客席を設定するようにしましょう。

1-4.従業員の動線も考える

店内だけのレイアウトがいくら綺麗なお店でも、従業員の動線がうまく確保できていなければ、従業員が働きにくく、スムーズな運営ができない可能性も考えられます。

お客さん目線だけでなく、従業員が働くことを想定した際に、どのようなレイアウトであれば無駄が生じないかを検討しながら動線をしっかり確保するようにしましょう。

2.厨房のレイアウトの考え方

飲食店の中でも最も頭を悩ませるレイアウトは、厨房のレイアウトです。厨房のレイアウトを検討する際は、以下のポイントに注意をしながらイメージにしましょう。

2-1.厨房の型でレイアウトを考える

厨房のレイアウトを決める際には、キッチンをどのように運営するのかを意識する必要があります。一人で切り盛りするお店を考えているのであれば、直線型が有効ですが、厨房に十分なスペースが必要であれば、十分な面積を確保できる2列型が最適とお店によって最適な厨房が様々です。厨房をお店の演出の1つとして見せるのであれば、アイランド型の厨房にして、お客さんの見える位置で調理をすることも可能です。

直線型:小さな飲食店でよく採用されている、厨房と客席が向かい合っているタイプ。
調理と接客が同時にできる。

2列型:厨房に大きな面積を割り当てられる、比較的大きな飲食店で採用されるタイプ。
前後に作業台がとれる厨房。

アイランド型:お客さんに見せるための、演出のための厨房。

厨房のレイアウトを検討する際は、どのタイプの型が理想かを意識しましょう。

2-2.作業のしやすさを考慮する

厨房の最適な広さはお店によって異なります。十分なスペースを確保すると、客席が削られてしまうので、効率的とは言えません。一方で、厨房スペースを狭くすると、料理の提供スピードが落ちてしまい、結果として非効率な運営になってしまう恐れがあります。

厨房に何名が作業をし、作業スペースが十分確保できているのかを検討するようにしましょう。

作業をするスペースを確保するだけでなく、調理器具の配置も無駄のないように検討する必要があります。厨房機器をどのように配置して、どのような調理をおこなうのかイメージしながら配置を考えしましょう。

2-3.動線を意識してレイアウトを検討する

厨房では、下処理、加熱処理、調理、配膳という順番に調理がおこなわれます。調理をする工程の邪魔をしない動線を検討すれば、作業効率が良い厨房のレイアウトが完成します。

調理をする際に、移動する幅を極力減らし、調理しやすいようなレイアウトを心がけるようにしましょう。

2-4.デザイン会社の施工事例を確認する

レイアウトや動線を検討しても、実際に設計した厨房が大きく異なっているという問題が発生してしまうケースも珍しくはありません。
設計時にイメージしていた厨房と実際の厨房とギャップを解消するために、厨房を設計するデザイン会社の施工事例を確認しましょう。
施工事例を確認すると、どのような厨房を設計出来たのかを確認出来ます。さらにデザイン会社の意見を聞くことが可能になるため、失敗する可能性が低くなります。施工事例を確認する際は、店舗の規模を併せて確認しておくと良いでしょう。

3.客席のレイアウトの考え方

客席のレイアウト配置は、次のようなポイントに意識をして検討するようにしてください。

3-1.動線と客席数の確認

客席数と動線はしっかり確認しておくようにしましょう。動線がしっかり確保できていないお店は、従業員が作業しにくい可能性が高く、非効率的な運営になる可能性があります。また、従業員がどの程度のテーブルの客を管理するのか、管理方法を検討しておく必要があります。1人で客席全体をカバーできない可能性があるため、全体を管理するスタッフ、配膳エリアを担当するスタッフなど、スタッフの役割を割り振り、無駄のないような配置を心がけましょう。

3-2.客の動線確認

従業員の動線だけでなく、お客さんがどのような動線で来店するのかをイメージして配置を考えるようにしましょう。お客さんの動線には、次の3つのものがあります。

1お店の入り口から客席へ到達する動線
2化粧室までの動線
3客席から会計までの動線

3つの動線と、従業員が移動する動線がぶつからないように、配置に気をつけてレイアウトを検討するようにしましょう。

4.狭い飲食店のレイアウトの考え方

ある程度広さのある飲食店では、厨房や座席のレイアウトの自由な設定が可能です。しかし、狭い飲食店ではレイアウトを慎重に考えないと、開業後効率よくお店を運営できない可能性があります。

狭い飲食店を開業する際は、下記のポイントに注意をしながらレイアウトを検討するようにしましょう。

4-1.厨房と客席の配置

厨房と客席をどのような配置にするかを検討しましょう。狭い飲食店は一列型の厨房になり、作業できる人数も最大2名程度が限度であることが考えられます。

2名で作業をするのであれば、お互いが邪魔にならないような工夫も必要です。また厨房のスタッフが、注文を取り、配膳までおこなわなければいけないケースも考えられます。調理と両立しながら運営できるよう、テーブル席を廃止してカウンター席のみにするなど、工夫が必要になることを検討しましょう。

4-2.スタッフの人数を考慮

狭い飲食店では、何名程度働くのか想定して設計をすると、理想のレイアウトでの運営が可能になります。

しかし、お店の規模が元々小さいため、配置する人数は最大3名にするなど、無理なく対応できる人数を設定するようにしましょう。調理、配膳のスタッフを分ける場合は、配膳スタッフの動線を検討して、座席の後ろにスペースを少し確保するなど、無駄の動きがないような設計を心がけましょう。

4-3.テーブルの席の配置

狭いお店の中には、カウンターだけでなくテーブル席を確保するケースもあります。しかし、着席できる客数が限られているので注意が必要です。
テーブル席を配置する際は、外にテラス席として配置をするのか、それとも個室として区画を分けるのか、工夫をして配置をするようにしてください。

5.レイアウトを考えることが不安な場合の解決法

レイアウトいくつか検討しても、必ずしも成功するとは言えません。場合によっては設計後に問題が発見してしまい、非効率な運営を余儀なくされることも考えられます。経験がなく、レイアウトに不安な方は下記のような問題で問題を解消しましょう。

5-1.居抜き物件を契約する

レイアウトがイメージ出来ない場合に、居抜き物件を契約して問題を解消する方法があります。居抜き物件であれば、厨房や客席のレイアウトが以前の状態で残っているので、実際に契約する前にイメージが可能です。

レイアウトを検討する時間だけでなく、新しく内装に対してコストを負担する費用も少なくなるため、低コストでスピーディーな開業が可能です。飲食店経験がない方で、レイアウトに自信のない方は、居抜き物件を使用することも頭にイメージしておきましょう。

5-2.業者に依頼をする

レイアウトのイメージができない場合は、飲食店のレイアウトを手掛けている業者に相談をして、レイアウトを一緒に考えるようにしてもらうようにしましょう。

業者に依頼をする際に気をつけるべきことは、業者に丸投げをしないことです。依頼者としてイメージを伝えることはもちろんのこと、業者との認識のズレを解消するようにイメージ写真などの共有をおこないレイアウトを検討していきましょう。

依頼する業者が分からない場合は、一度依頼する前に施工事例を確認し、依頼して問題のない業者かどうかを見極めるようにしてください。

6.まとめ

厨房や客席のレイアウトを検討することは、飲食店の開業時に最も胸をときめかせる工程です。しかし、失敗してしまうリスクもあるので、レイアウトを考える際は慎重にイメーシするようにしてください。

「飲食店のツナグ」では、開業予定の方に有益な情報を多数発信しています。これから飲食店を開業しようと計画している方は、当サイトを参考にしてください。みなさまのご利用をお待ちしております。