スモールM&Aを利用して飲食店を賢く開業する方法

M&A

飲食店を開業する方法はさまざまです。開業方法の中で「スモールM&A」というアプローチを用いて開業する方法があります。本記事では、飲食店を開業する方法の1つでもあるスモールM&Aについて紹介します。

1.スモールM&Aとは

M&Aとは、企業が企業を買収する方法で、大企業が最短で成長するために活用される1つのアプローチであると言われています。その中には、スモールM&Aと呼ばれるものがあり、中小企業同士が買収する際に、スモールM&Aという言葉を用います。

1-1.一般的な定義

一般的な定義は、個人事業の会社や小規模のお店を買収する際に、スモールM&Aがおこなわれます。一般的には1億円以下の買収をスモールM&Aに該当し、数百万円から数千万円で取引される案件が該当すると言われています。

1-2.その他の定義

買収額以外では、従業員の人数や売り上げや年商によってもスモールM&Aを定義することがあります。従業員が30名以下で、売上げが1,000万円から5億、年商にすると数千万から数億円はスモールM&Aに該当します。飲食店の多くが、上記の条件を満たすため、飲食店を買収する際は、「スモールM&A」と言えます。

1-3.動向

最近では事業拡大でスモールM&Aをおこなうのではなく、事業を継承する目的としておこなわれる傾向にあります。飲食店の中には後継者不足によりお店を閉店しようと検討しているお店もあり、今後スモールM&Aによって大手企業が事業を買収するケースも多くなることが考えられます。
スモールM&Aは買取規模が小規模で済むため、大企業だけでなく中小企業や資金力のある個人事業主でも買収が可能です。飲食店を買収する際は、集客力のある飲食店をスモールM&Aを活用して買収するもの良いと言えるでしょう。

2.スモールM&Aで飲食店を開業する方法

スモールM&Aで飲食店を開業する際は、個人で交渉する方法と仲介業者に依頼をして買収先候補を提示してもらう方法があります。個人で交渉をおこなう場合、売り手と交渉するために必要な意向証明書、秘密契約保持、基本合意契約書など、M&Aをおこなうための必要な書類や契約書を作成する必要があり、資料作成だけで時間が必要になります。

一方で、仲介業者を通してスモールM&Aを進めれば、手数料が発生するものの、必要な手続きは専門業者のアドバイスを受けて作成するため漏れがありません。少しでも早いスモールM&Aを心がけているのであれば、事業者を仲介したM&Aを採用するようにしましょう。

3.買収先の選定

スモールM&Aでは、買収する飲食店を探す必要があります。スモールM&Aをおこなう際は、次のポイントに意識をした買収計画を進めるようにしましょう。

3-1.後継者がいないお店を買い取る

最も適しているお店は、後継者のいない飲食店です。後継者不足で閉店するお店の多くは、経営状態は悪くないものの、体力的に営業が難しくなり閉店を余儀なくされているお店です。お店によっては、行列のできるお店もあるため、良いお店を選べば開業時から高い集客を得ることが可能です。

飲食店側としても、お店を閉店するための費用が不要となるだけでなく、売却で得た資金を引退後の生活資金とすることができるため、買収に応じることがあります。一方で、人気のお店は大手の飲食店や他業種の企業が買収を検討している可能性もあります。交渉内容によっては、競合相手に買収される可能性もあることを頭に入れながら交渉を進めるようにしてください。

3-2.収益が悪いお店を買収する

収益の悪いお店を買収する方法もあります。収益の悪いお店は他のM&A以上に安い条件で買取できる可能性があります。しかし、一方でお店の収益が悪い原因を突き止めないと、買収後もすぐに経営状態が悪化し撤退しなくてはならない可能性があります。
収益の悪いお店を買収する際は、将来的に発展する土地であることや、近隣エリアに競合相手がいないので集客が見込めるなど、開業後の確かな勝算がない限りは手をださないようにしましょう。

3-3.仲介業者経由で買収をする

M&Aの業者の中には、こちらが提示する条件とマッチする飲食店を提示してもらえるケースもあります。紹介されるお店の中には、非公開情報もあるため競合相手と争うことなく、買収を進めることも可能です。少しでも早く開業を目指しているのであれば、仲介業者を経由した開業方法を検討するようにしましょう。

4.M&Aのメリット・ゼロから自分で開業する場合との比較

飲食店のスモールM&Aは個人でゼロから開業する場合と比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。スモールM&Aとどのような違いがあるのかを紹介していきましょう。

4-1.最短で経営が可能

M&Aで買収をすると、同意があれば最短での開業が可能です。状況によって異なりますが、同意を得たあとに手続きが完了すれば、最短1カ月でも開業することが可能です。遅くても2カ月から3カ月で開業が可能と言えるでしょう。

一方で個人ではいくら最短で開業をしようとしても、2カ月から3カ月準備期間が必要になります。ゼロから飲食店を開業すると、立地場所の調査をおこないそこから出店候補となる空き物件を探します。場合によっては空き物件が見つからずに立地場所を複数検討しなければならないことがあります。
立地場所だけでなく、内装業者に工事を依頼し、店内の装飾を検討しなければいけません。さらに保健所への申請をはじめとした必要な資格を取得する必要があります。

4-2.コスト面での比較

コスト面で比較をすると、スモールM&Aは開業するよりも買取費用が高くなってしまいコストパフォーマンスが悪いこともあります。しかし、集客性の高いお店を買取り事業を継承すれば、買取費用を数ヶ月から数年で回収することが可能です。

一方で、ゼロから起業をする場合、開業しても必ず回収できるという予測を立てることができません。開業費用を回収できずに閉店せざるを得ないことも考えられます。将来的な視野で検討すると、スモールM&Aの方がコストを下げて開業できる可能性があることも認識しておくと良いでしょう。

4-3.集客面での比較

集客面でも新規開業とスモールM&Aでは大きな差が現れます。新規開業のお店の場合、出店エリアの客層を調査することが可能でも、開業するまでお店に集客できるかどうかは未知数です。開業するまで判断することが難しいと言えるでしょう。そのため、ゼロから開業する飲食店の中には、集客が見込めるまで一定期間赤字で経営することを想定して開業するケースもあります。

一方で、スモールM&Aでは、既存のお店を買収するため、ある程度の集客予測を立てることができます。同じ業種であれば、売り上げや客の状況をあらかじめ把握することができるため、開業の対策を事前にシミュレーションすることが可能です。

4-4.現在までの状況が見える

買収先の飲食店の過去から現在までのデータを参考にすることが可能です。過去にどのような経営をしていたのか分かるだけでなく、客層のデータなどを予想することが可能になります。更に同業種であれば、過去のお店の失敗を学ぶことができ、同じような失敗を回避することも可能です。

飲食店経営経験のない方にとって、過去の情報は有益な情報として経営に活用できるという点がスモールM&Aの強みでもあると認識しておきましょう。

5.気をつけるべきこと

スモールM&Aは、メリットが多い一方で、注意しなければならないことがいくつかあります。スモールM&Aで飲食店を買収しようと検討している方は、下記のポイントに注意しながら慎重に計画を進めるようにしましょう。

5-1.素人同士で交渉しない

最もやってはいけないことが、素人同士で交渉しないことです。コストを少しでも抑えるために専門業者を通さずに進める方もいますが、交渉が難航する可能性があります。

素人で交渉を進めていると、順調に買収計画が進めていたはずが、秘密保持契約をはじめとした必要な契約を結んでいなかった結果失敗に終わってしまうことも考えられます。スモールM&Aは買い取り規模が低くてもあくまで「買収」なので、買収が得意な業者に依頼するようにしましょう。

5-2.仲介業者は慎重に選ぶ

M&Aをおこなう際に仲介業者を利用する際は、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。業者の中には条件が悪い業者をあえて提示し、買収させようとするケースがあります。仲介手数料が高く、買収する際にコストが高くなってしまう業者もあります。
業者を選ぶ際は、実績のある業者を選ぶようにしましょう。特におすすめが、飲食店を専門におこなっている仲介業者です。飲食店に特化している業者であれば、飲食店の動向だけでなく、出店エリアの情報を提供してもらえることがあります。仲介業者を選定する際は、飲食店のスモールM&A実績が多い業者を選ぶようにしてください。

5-3.買収先を慎重に検討する

仲介業者に提示されたお店を、そのまま業者の言う通りに買収するのではなく本当に買収して問題のない飲食店なのか、自分の目で確かめるようにしてください。現地に行けば、資料にない情報を入手することが可能になります。
飲食店を開業する際には、実際に足を運んで開業して問題のないお店なのかどうかを確認しましょう。最終的な判断は、開業予定の経営者が「ここでお店を開きたい」という決断です。業者が提案するお店を選定する際は、自分の目でも確認するようにしましょう。

6.まとめ

飲食店を最短で開業する方法の1つとして「スモールM&A」という方法があります。低リスクでの開業を検討している方は、スモールM&Aを賢く活用した買収を検討しましょう。
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