飲食店の新しいサービスの中で、「サブスク」が注目されています。サブスクは音楽業界から注目を集め、今では様々な業界で導入されています。本記事では、「飲食店のサブスク」がどのようなものかを解説しながら、サブスクの魅力について紹介していきます。
1.サブスクとは？
そもそもサブスクとは一体どのような意味なのでしょうか。サブスクについて解説していきます。
「サブスクリプション」の略で、予約購読という英語を語源とした言葉です。最大の特徴は、「定額制」でユーザーは一定の料金を支払うと無制限でサービスを利用できる特徴があります。
1-1.主なサブスク例
代表的な事例で言えば、新聞購読もサブスクと言えるでしょう。遊園地の年間パスポートもサブスクの1つと言えます。
特定分野ではサブスクの制度がありましたが、限定的でした。しかしWeb業界が発展し、音楽業界で導入が始まると徐々に浸透しはじめました。
その後さまざまな業界に波及し、ファッション業界でのサブスクも流行しました。眼鏡業界でのサブスクもあります。最近では、自動車や住居などファッション業界に囚われないサブスクも浸透しています。
その結果、飲食店でもサブスクを導入しようとする動きが広まり現在では様々な形でサブスクが導入されています。
1-2.飲食店でのサブスク
飲食業界でのサブスクでは、月額を支払うと指定されたメニューを食べ放題になるといった特典や、全ての商品を無料で利用できるといった食の「定期券」として導入しているケースがほとんどです。
サービスを実施することで、SNSで話題になるだけでなく、一定の安定した収益につながるメリットがあります。メリットについては後ほど詳しく解説します。
2.飲食店でサブスクを始めるには
サブスクは仲介サイトなどに登録することなく、お店が自発的に発信をすることでスタートが可能です。しかし、導入前に準備するものや、やらなくてはいけないことが多数あります。サブスクを導入するために必要な流れを説明していきましょう。
2-1.サブスクの内容を決める
サブスクを導入する際は、どのような内容にするのかサービス内容をきちんと検討するようにしましょう。一言でサブスクといっても、何のサービスを定額で利用できるのかを定めなくてはいけません。
サブスクの内容をしっかり検討しておかないと、魅力的に感じてもらえず、お客さんが購入しない可能性も考えられます。サブスクの内容を決める際には、下記のポイントに注意をして設定するようにしましょう。
・期間
・価格
・サービス内容
特に重要なのが、期間と価格です。１カ月にするのか、それとも１年にするのかしっかりと設定しておくようにしましょう。
2-2.会員証を作成する
サブスクの内容を決定したら、会員証を作成しましょう。デジタルで作成することも可能ですが、最悪の場合複製されてしまう可能性もあります。飲食店であれば、会員証はアナログなものにして、その場で確認できるようなものにしましょう。
2-3.宣伝をする
サブスクの大まかな概要が確定したら、SNSを使い拡散をしましょう。サブスクを広めるために重要な方法は、SNSでの拡散です。魅力的な内容であれば、高い確率で拡散される可能性があります。しかし、１度の発信で情報が拡散されない可能性も考えられるため、宣伝をする際は継続的におこなうようにしましょう。
3.サブスクのメリット
サブスクを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。導入することで次のようなメリットがお店に生まれる可能性があります。
3-1.安定した収入を確保できる
サブスクは一度登録をしてもらうと、サービスがよければ継続的に利用してもらえる可能性があります。そのため、利用者がある一定数確保できれば、初月から売り上げの一部をサブスクの利用者で得ることが可能になります。
さらに、サブスクが好評であれば利用者が拡大し、結果として低リスクで収益を確保することが可能になります。
従来の新しいサービスでは、提供を開始し、お店として利益になるかを確認するまでに期間とコストが必要でした。しかし、サブスクの場合は低コストで導入が可能で、利用者の反応もすぐに確認することが可能です。サブスクは飲食店にとって低リスクで収益を安定させる事業といえるでしょう。
3-2.利用頻度が増える
良いサブスクを設定すれば、利用者は「サービスをお得に利用したい」という心理が働き、頻繁に利用するようになります。頻繁に利用することで、結果として来店数が増え、お店の収益の増加につながります。
お客さんが頻繁に利用したくなるサブスクを設定すれば、集客効果にもつながるため良いサービスを検討しましょう。お客さんの集客アップにつなげたいのであれば、「サブスク会員のスペシャル特典として、19:00までドリンク無制限で無料」などのサービスも良いでしょう。
3-3.顧客のデータが取れる
サブスクで、名前、連絡先、年齢を登録しておくように設定することで、顧客のデータを取ることができます。顧客のデータを元に、サブスクを利用する層を掴み、サブスク利用者が喜ぶようなサービスを提供するためには、どのような工夫なのかを考えることが可能になります。
さらに、利用者対象にアンケートを取り、サービス向上のために足りていないものは何かを調査することも可能です。
顧客データを活用することで、サブスクの運営に役立てることが可能なので積極的に利用者の分析をするようにしましょう。
3-4.限定情報を発信できる
サブスクの情報を利用して、お店の限定情報を発信することも可能です。購入者限定のクーポンなどを配布すれば、お店に来店する可能性を高めることも可能です。サブスクを展開するのであれば、購入者が購入してよかったと感じるような情報を積極的に発信するようにしましょう。
4.サブスクの注意点
一方でサブスクをする上で注意しなければならないこともあります。導入する際は注意するようにしましょう。
4-1.サービス内容を明確に設定する
サブスクのサービス内容をどのようなものにするのか細かく決定する必要があります。例えば、サブスクで全てのサービスが利用できるように設定すると、サブスク購入後、サブスクの利用者だけが来店し、サブスク以外の利用者が来店できずにそれ以上の売り上げが確保できないこともあります。
サブスクサービスを設定する際は、どのようなサービスを提供するのか、お店の収益を考慮した上で設定するようにしてください。
4-2.注目を集めるサブスクを設定する
サブスクはSNSで話題が呼べないと、会員数を一気に増やすことができない可能性があります。例えば、１０名限定でサブスクに入会すると、全てのサービスを無料で利用できるなど、注目を集めるようなサービスを設定する方法も有効です。
実際に、サブスクにグレードをつけて会員数を多く獲得しているケースもあります。設定をする際は、SNSで話題を集めることができるような仕掛けも考えるようにしましょう。
4-3.増客への対応も検討する
サブスクの反応が良いと、自然とお店への来店が増加します。サブスクのお客さんをぞんざいに扱ってしまうと、SNSで情報が拡散されネガティブキャンペーンにつながることもあります。実際に定食屋の実施したサブスクでは、対応が悪いとサブスクがきっかけでお店の評判が落ちてしまったというケースがあります。
お客さんに対応できるよう、お店として増客した場合どのように対処して経営すべきかを検討しながらサービス内容を考えるようにしましょう。
5.飲食店のサブスク事例
飲食店のサブスクはどのような事例があるのか、成功した事例を中心に紹介していきましょう。
5-1.ラーメン屋のサブスク
ラーメン屋のサブスクでは3種類のラーメンが1日１杯となる無料パスポート券や、トッピングが無料になる「トッピングパスポート」を実施しています。
さらに人気店では、来客が集中するお店に限定してサービスを実施しているケースもあります。サブスクを細かく設定することで利用者を増やすだけでなく、増客に対応できる工夫をしています。
5-2.焼肉のサブスク
焼肉のサービスでは、一人で1カ月食べ放題というサービスを提供しているケースが多くあります。一方で、高級な焼肉を半額で利用できるなど、無料でないサービスを提供しているケースもありお店の方針によってサブスク内容がさまざまです。
焼肉店の場合、食べ放題に設定をすると1人客で4人のテーブル席を占拠してしまい、結果として混雑時に売り上げが低下してしまう恐れもあります。
導入する際は、売り上げが減少につながらないような仕組みを考慮して、円滑に進めることができるような仕組みを検討するようにしましょう。
5-3.居酒屋のサブスク
居酒屋でのサブスクを検討するのであれば、ドリンクを飲み放題にするサービスを導入しているケースが多くあります。
ドリンクにサブスクを限定することで、来店回数を増やすことが可能になり、売り上げを一定確保できます。お店によっては、ドリンクを限定しているケースもあれば、特定のメニューに限定しているケースもあります。
サブスクを細かく設定することで集客につなげることができる可能性があるため、どのようなサブスクにするのか慎重に検討しましょう。
5-4.成功するために気をつけるべきこと
サブスクで成功するためには、下記のポイントを理解して設定することが大切です。
・増客対策
・サブスクのサービス内容をきちんと設定すること
・利用期間
サブスクは低コストで進めることができる事業のため、設定を甘くした状態でサービスをスタートさせてしまうケースがあります。しかし、設定内容を検討しない状態で導入するとトラブルに発展してしまい、信用を落としてしまう恐れがあります。導入する際は、シミュレーションをしっかりおこない導入するようにしてください。
6.まとめ
飲食店でサブスクを導入することで一定の売り上げを確保することが可能です。これからサブスクを導入しようと検討している方は、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてはいかがでしょうか。
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