間借りで飲食店を開業するときのメリット・デメリット

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飲食店を経営しようと検討している方の中には、間借り物件を借りて営業をしようと検討している方もいるのではないでしょうか。
本記事では、間借りの店舗を借りて飲食店を経営しようと検討している方に向けメリット・デメリットを紹介します。

1.間借りとは

そもそも間借りとはどのような状態のことをさすのでしょうか。まずは間借りについて紹介していきましょう。
簡単に説明をすれば、既存の経営しているお店で限られた時間を利用してお店を経営するという方法です。
この方法で営業をすることで、不定期での飲食店の経営が可能で、それ以外にもさまざまなメリットがあります。

これまでは間借りで飲食店を経営するお店は存在していませんでした。しかし、飲食業界のありかたが変化してきたことで、このような間借りで経営するお店も珍しいことではなくなりました。
さらに飲食店を経営する側も、お店を営業していない時間でも店舗を貸した費用が徴収でき、後継者不足のお店でも今後も間借りでお店を貸すような飲食店が増えていく可能性があります。

2.間借りのメリット

間借りの飲食店では、どのようなメリットがあるのでしょうか。
間借りで営業する飲食店のメリットについていくつか紹介していきましょう。

2-1.開業費用を最小限で営業が可能

最大のメリットは、新規で開業するために必要な費用に比べて低価格でお店を開業できるというメリットがあります。

通常飲食店を開業する場合、お店を契約して、内装業者に内装を依頼、設備投資をおこない、プロモーション費、人件費とさまざまな費用が必要になります。

しかし、間借り飲食店の場合は、既にあるお店をそのまま活用するため、店舗を契約するための家賃、既存の設備を使用するため、店舗設備の費用に投資をする必要がありません。
そのため、通常の開業費に比べて2分の1程度でも十分開業できるため、資金を集めなくてはならない方でも安心して開業準備に取り掛かることが可能というメリットがあります。

2-2.商品開発に集中ができる

調理設備や内装は既に完成しているため、開業時は提供するメニュー開発に専念することが可能です。
メニュー作りに集中したいという方は、間借りでの開業を前向きに検討しましょう。

2-3.飲食店のサービスを提供することが可能

調理設備だけを借りるのであれば、ゴーストレストランという方法で開業も可能ですが。
この方法でお店を開業すると、デリバリーに最適な商品を開発する必要があり、集客が安定するまでに場合によっては時間がかかってしまう可能性があります。

一方で、間借りの飲食店であれば、通常の飲食店のサービスが提供できるだけでなく、間借りしているお店の常連客が試しに利用してもらえる可能性があるため、集客が簡単にできることがあります。

安定した集客をスタート時点から期待しているのであれば、間借りでの飲食店経営がおすすめです。

2-4.営業許可が必要ない

通常であれば、食品衛生管理責任者の資格を取得し、営業許可を取得する必要があります。

しかし、間借りのお店の場合このような資格を取得する必要がなく最低限の営業許可で開業が可能です。
営業許可が全くいらないわけではないので、必ず開業する業態によってどのような営業許可が必要なのかを確認してから開業準備に取り掛かるようにしてください。

2-5.閉店費用も必要がない

閉店する際にも閉店費用が必要にならないため、自分の都合によってお店を閉店させることも可能です。
低リスクでお店を経営ができるので、飲食店のリスクの高さで開業を諦めている方は、間借りでの営業を検討しましょう。

3.間借りのデメリット

一方で間借りのデメリットもあります。次のようなデメリットに注意をして開業を検討するように心がけましょう。

3-1.既存店のコンセプトに合わせる必要がある

開業する場合は既存店のレイアウトをそのまま使用するため、場合によっては既存店のコンセプトに合わせたお店を検討する必要があります。
間借りでコンセプトのあるお店を検討している場合は、開業に必要な店舗候補が見つからない可能性があるので注意が必要です。

3-2.使い勝手に慣れるまでに時間がかかる

お店によっては設備が古い状態のものがあり、調理をする際に古い設備を利用して経営をしなければならないこともあります。
また、冷蔵庫の配置やコンロの位置などは既存店のやりやすいように設定されているので、バーなど飲食店としては向いていないお店を間借りする場合は、調理がしにくいと感じてしまうこともあります。

営業すると決まったお店の使い勝手に慣れるまである一定の期間が必要になる可能性があることも認識しておくようにしましょう。

3-3.お店の都合で営業できないことも

間借りは既存のお店の空き時間に利用するという営業方法なので、あくまでお店の主導権は既存店にあります。
いくら間借りで開業して経営状態が安定していても、既存店がお店を一時的に閉店させリニューアルさせるといえば、間借りとして営業ができないこともあります。

さらに、経営時間を拡大したいと検討していても、既存店の営業時間を優先する必要があるため、営業時間に制限がありある一定まで到達すると、利益が伸びないということも考えられます。

3-4.希望のお店が見つからないことも

イメージ通りのレイアウトのお店を見つけることができれば間借りの飲食店としては理想的であるものの、希望に沿ったお店が見つからずに苦労してしまうということも考えられます。
さらに理想のお店を見つけることができても、間借り営業の許可がおりず交渉に時間がかかり1年近くに渡り開業ができないということも考えられます。
どのようなお店を開業するか、慎重に検討するように心がけましょう。

4.間借りで飲食店を開業するときに必要なこと

実際に間借りで飲食店を開業しようと検討している場合は、どのようなものを準備する必要があるのでしょうか。
間借りで飲食店を開業するにあたり必要になるものを紹介していきましょう。

4-1.間借りができるお店

最も重要なことは、間借りできるお店を探すことです。間借りの飲食店では間借り先が重要になります。
コンセプトが良いだけでなく、店主に理解がある方を選択するようにしてください。コンセプトと雰囲気が近いお店の中から良い店舗を見つけるようにしましょう。

4-2.資格

必要な資格は、開業するお店によって異なります。たとえば間借りのお店でお菓子をテイクアウトで販売しようと検討しているのであれば、菓子製造許可が必要になります。
さらにお酒を販売する場合は、バーを経営するお店でスタッフに責任者がいれば許可が必要ないものの、不在の場合は酒販免許が必要になります。

自治体によって必要な資格の要件が異なるため開業前に自分のお店ではどのような資格が必要になるのかを検討してか営業許可をはじめとした資格取得をしましょう。

4-3.備品の購入

スナック、バーなどのお店を間借りする際は、設備を新たに購入する必要があります。購入する設備の中には持ち運びが難しいものがあります。
持ち運びが難しい備品を購入する場合は、事前に店主側に許可を取り、備品を購入してよいか確認しましょう。

また、間借り営業をする際には使用する設備と使用しない設備を明確にして、トラブルのないように心がけましょう。

4-4.契約書の作成

1〜2週間程度の期間限定の営業であれば、店主との口約束だけで開業をしても信頼関係があればトラブルになることはありません。

しかし、長期的な契約で経営を検討しているのであれば、契約書を作成しトラブルを回避しながらお店を開業する必要があります。
また契約書を作っておくことで、備品を破損してしまった場合の負担や、新規で備品を購入する場合、営業時間の変更など、間借り営業をするうえで考えておかなければならないリスクを事前に把握して、お店側とトラブルにならないガイドラインの作成をしておくようにしてください。

5.お店探しをするコツ

これから間借りをする場合はどのようなことに気をつけながらお店探しを検討する必要があるのでしょうか。
お店探しをする場合は次のようなことに気をつけてお店選びをするように心がけてください。

5-1.信頼関係を築く

候補となるお店を見つけた場合は、すぐに間借りの交渉をするのではなくある程度信頼関係を築いたうえで相談を持ちかけるようにしましょう。

経営状態の良いお店によっては間借りができない可能性があります。店主と信頼関係が築いていれば、こちらの求める要件に対して柔軟な対応を示してもらえる可能性があります。
まずは信頼関係を築いてトラブルのないように努力するようにしてください。

5-2.後継者探しをしている飲食店と交渉をする

既存店で少しでも早く間借り営業をしたい場合は、後継者を探しているお店で間借り営業ができないか交渉するようにしてください。
後継者を探しているお店の中には営業日を減らしたいと検討しているケースも珍しいことではありません。
このようなお店で間借り営業ができれば、通常よりも営業時間を長く設定してお店が経営することが可能です。

さらに、状況によっては、お店をそのまま譲ってもらうことも可能なケースも考えられます。
将来的に店舗を持ち経営をしようと検討しているのであれば、後継者不足の飲食店と交渉するように心がけてください。

5-3.期間限定でお店を探す

間借り営業は長期で検討していると、経営が安定した後にお店側とトラブルになることも考えられます。
間借りは実際にお店を開業するための準備期間などと役割を明確にさせたうえで、開業計画を検討するようにしましょう。

6.まとめ

間借りで飲食店を開業しようと検討している方は、今回紹介したメリット・デメリットを考慮したうえで、開業準備を検討してください。

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