ナイトクラブなどを開業するときのポイントや注意点は?_その2

Night club

客単価が高く、成功すれば安定した利益が期待できるナイトクラブを開業するにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。本記事ではナイトクラブを開業しようと検討している方に注意すべきポイントを紹介します。

1.ナイトクラブ開業に必要な資金について

ナイトクラブを開業するにあたり、開業資金がどの程度必要になるのかを簡単に紹介していきましょう。一般的には1000万円〜1500万円程度の開業資金が必要と言われています。一般的な飲食店よりも少し高めの開業資金が必要なので注意が必要です。開業資金の内訳を紹介していきましょう。

1-1.店舗契約

ナイトクラブを運営するための店舗が必要になります。この時気をつけなければならないことが、どこにでもお店を出すことができるわけではありません。ナイトクラブが開業できるお店は、自治体によって細かく指定されています。
特に住居専用の地域では出店ができないので除外しないといけません。主に繁華街などでの出店を検討する必要があります。さらに、高級クラブなど客単価によって出店場所も慎重に検討しなければいけないので注意が必要です。
契約時には家賃の6ヵ月分に相当する費用を保証料として払わなければいけないため、契約時にはまとまったお金が必要になることも認識しておくようにしましょう。

1-2.内装費

クラブでは店内の雰囲気も重要です。高級クラブになれば、高級感のある内装にしなければ、お客さんが訪れない可能性があります。特に、ソファ、テーブル、シャンデリアなど、ナイトクラブには欠かすことができない費用を整えると、店舗内装にもお金をかける必要になります。
お店の状況によって内装費は異なりますが、場合によっては500万円以上は最低でも必要になることがあるので、あらかじめどの程度予算をかけられるか費用を設定したうえで検討するように心がけましょう。

1-3.人件費

ナイトクラブの売り上げはホステスやママの働きにかかっています。人気のナイトクラブでは、魅力的な人材が揃っています。良い人材を確保するためにはある一定の費用が必要で、費用を削ってしまうと、他のお店に人材が流れてしまう恐れがあります。
さらに新規はホステスを雇うために、他店から斡旋してもらい場合によっては手数料が発生することもあります。ナイトワーク系の求人雑誌に掲載する必要があるので注意が必要です。

2.風俗営業許可について

ナイトクラブを経営するのであれば、必ず風俗営業許可を取得する必要があります。ナイトクラブでは、お客さんの隣に座り接客をする接待行為に該当するので、風俗営業許可が必要になります。

2-1.取得のために必要なこと

風俗営業許可は通常の許可証と異なり審査が面倒という特徴があります。警察署に届出を提出します。最も注意しなければならない点が、警察による立会いです。警察が提出された図面を元に違法性のあるお店かどうかを厳しくチェックをします。
この時、図面通りの設計ではない、風営法で指定する要件を満たしていないと判断されれば許可が下りない可能性があります。許可が下りていない状態では営業ができず、取得までにかなりの時間が必要になります。
取得を確実にしたいのであれば、提出前に風俗営業許可提出に強い行政書士に相談し、確実に営業許可が取得できる状態を作るように心がけてください。

2-2.特定遊興飲食店営業

深夜以降に営業をするのであれば、風俗営業許可以外にも新たに営業許可を取得する必要があります。「特定遊興飲食店営業」の資格が深夜営業には必要になるので、必ず取得を忘れないようにしてください。

2-3.条例も確認する

このようなさまざまな営業許可が揃いはじめて営業が可能になりますが、自治体の条例によってはその他の申請や、お店の営業条件が付与されていることがあります。事前に開業予定の自治体で必要な申請は何かを確認して開業準備を進めるように心がけてください。

3.ママについて(クラブのママという存在について)

ナイトクラブにはママという存在が必要不可欠です。ナイトクラブにおいてママとは一体どのような存在なのか、詳しく解説していきましょう。

3-1.お店の責任者

ママの役割は、クラブの責任者です。クラブで起きた問題はもちろんのこと、集客方法や経営方針、従業員の採用など、すべての業務をこなします。さらに、業務をこなすだけでなく、接客をする必要があり、営業前、営業中、閉店作業と全ての仕事を一手におこなう欠かせない存在です。
経営状態の良いナイトクラブには、必ず能力の高いママが働いています。彼女たちはクラブで下積み経験を経てママになっているので、ナイトクラブのノウハウを熟知しています。
一般的には、ママは経営者でもあるので自分で開業をするケースが多くありますが、中には経営者が別にいて、雇われてママをする「雇われママ」が存在します。
これからナイトクラブを開業しようと検討しているあれば、能力の高いママを雇う必要があり、彼女たちは報酬も高くなるので注意が必要です。

3-2.ママの報酬について

お店によって報酬は異なりますが、成果報酬で売り上げを設定するケースが多いと言われています。雇われママの起用を検討しているのであれば、事前に報酬額と契約期間をしっかり決めて雇うように心がけましょう。
スキルの高いママになれば、自分で開業することも考えているのですぐにお店から退店してしまうことも考えられます。ママが流出しないようにどのような対策を考えるのかも開業者に求められることなので、ぜひ慎重に検討するように心がけてください。

3-3.ママを雇う方法

ママを雇う方法はいくつかあります。一般的な方法として、他店からスカウトする方法があります。しかし、スカウトの方法はお店との信頼関係が必要になります。求人情報から雇うことも可能ですが、特殊なポジションでもあるので、実際に実績のあるホステスから選定すると良いでしょう。
雇う時は、必ず在籍するお店側に事情を説明し、納得してもらったうえで雇うようにしてください。

3-4.チーママとは

ナイトクラブではママを雇えばそこで終わりということではありません。ママの役割が多くなるので、補佐をするホステスを配置する必要があります。彼女たちはチーママと呼ばれ、ママの負担を下げるためのサポートをおこないます。
チーママのホステスはママの次に重要なポジションとなるので、やはり人材が流出してしまうと、お店の経営が不安定になってしまう可能性があります。ママとチーママをどのような人物にするのかを慎重に検討してお店を経営するように心がけましょう。

3-5.ママとのコミュニケーションが重要

良いママを確保するためには、常にママとのコミュニケーションが重要になります。お店を任せるだけでなく、負担にならないようにケアをすることが大切です。良い人材を確保することで、単価の高いお客さんを獲得するチャンスが生まれるので、開業する前にママを誰にすべきか慎重に検討するようにしてください。

4.ホステスさんの採用、教育について

ナイトクラブではママ、チーママ以外にもホステスを多数雇う必要があります。ホステスの質でお店の質や格が決まってしまうので、雇い主は慎重にどのようなホステスを雇うのか考える必要があります。ここでは採用時にどのようなことに気をつける必要があるのかを紹介していきましょう。

4-1.ホステスの採用方法

ホステスの採用方法はさまざまです。ママやチーママが独自にスカウトしてお店で働かせるという方法もあれば、ナイトワークの求人を掲載し新人を雇うというケースもあります。ホステスによっては、毎日出勤できる人もいれば、出勤が限られている人もいます。
また、その日に何人程度配置するかも検討する必要があるので、在籍スタッフを多めに雇う必要があります。管理できるギリギリの人数を常に採用するように心がけましょう。

4-2. 教育方法

ホステスを雇うことは比較的簡単におこなうことができるものの、ホステスの質を維持することが重要です。高級クラブになれば、新人スタッフにトイレ掃除をさせたり、雑用をさせたりと、厳しい教育を実施するお店もあります。このような厳しい教育に耐えられずに逃げ出してしまうホステスも珍しいことではありません。
しかし、ホステスの教育をしっかりしていないと、お店の来店する客の質が落ちてしまい、結果突してお店に単価の高いお客さんを集客できない可能性があります。
ナイトクラブで成功するためには、ホステスの質を高めることが重要なので、どのように育てるのかを慎重に検討し教育をするようにしましょう。

4-3.教育ノウハウはお店によって異なる

ホステスの共通の研修制度などが存在しないので、お店独自で教育方針を決める必要があります。どのように育成してわからない時は、ママと相談をしながら教育方針を決めるように心がけてください。
スキルの高いママに教育を全て任せるということも可能ですが、全てを依存すると人材が流出してしまう恐れも考えられるので、バランスのよい研修をおこなうように心がけてください。
その中でもコミュニケーション能力が特にホステスに必要なスキルとして求められます。コミュニケーションが高いホステスがお客さんの心を掴みお店の経営を安定する存在となるので、コミュニケーション能力を高める教育を特に力を入れておこなうようにしてください。

5.成功するために必要なこと

ナイトクラブで成功したいのであれば、他店のマーケティング能力、人員配置などさまざまな経営者としてのスキルが求められます。その中でも特に重要なものが、コミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力はホステスだけでなく、経営者も求められる重要なスキルです。このスキルが無ければ経営がうまくいきません。ホステスは仕事のケアだけでなくプライベートのケアも必要になります。精神状態が不安定なホステスに対しては、経営者が親身になって悩みを聞きアドバイスをすることが求められます。
これから開業を検討している方は、スタッフとしっかり向き合うために必要なコミュニケーション能力を身につけるように心がけましょう。

6.後継者として開業する方法も

自分で開業する自信がない場合は、後継者としての開業も検討してください。ナイトクラブの後継者として経営をすれば、ノウハウや従業員をそのまま引き継ぎ、ナイトクラブ独自のルールを学びながら経営をおこなうことが可能です。
将来的にお店を持ちたいと検討している方の中で、ノウハウやナイトクラブのさまざまなことを学びたいという方は後継者での開業を検討しましょう。

7.まとめ

以上のようにナイトクラブを開業するためにはさまざまなことに気をつける必要があります。これから開業を検討している方は、今回紹介した内容を参考にしながら開業準備をすすめるようにしてください。
「飲食店のツナグ」では、開業者が必要な情報を多数提供しています。ぜひ開業を検討している方は参考にしてください。

 

キャバレー・ナイトクラブを開業する時のポイントや注意点_その1