飲食店のクレーム対応マニュアル

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飲食店で避けられないものが、クレーム対応です。本記事ではトラブルを避けるためのクレーム対応、悪質なクレーマーへの対処法などを紹介します。飲食店では欠かせない項目なので、ぜひ参考にしてください。

1. クレーム対応の必要性

お客さんの文句を聞くと、ストレスのたまっている迷惑な客が文句を言うというイメージですが、決してそれだけではありません。クレーム対応をしっかりおこなうことで、次のようなメリットがあります。

1-1. サービスの質を高める

クレームを言うお客さんの中には、お店のサービスに失望してクレームをする場合があります。このような場合は、接客、フードに何らかの問題があることも考えられます。このようなクレームが多ければ、お店の抱える問題でもあるので耳を傾ける必要があります。

さらに、このようなクレームが実際に発生した場合、真摯な姿勢で受け止めないと、お店の価値を下げ集客に影響を与えてしまう恐れがあります。
サービスの質を高める可能性のあるクレームに対しては、積極的に受け入れていくように心がけましょう。

1-2. 信頼度を維持する

クレームを受け入れないお店は良いお店とは言えません。特にお店側に明らかな非があるクレームに対して、いい加減な態度で対応をしてしまうと、「接客の悪いお店」という烙印が押されてしまう可能性があります。信頼度を維持するためにも、クレームには真摯な姿勢で対応することが大切です。

1-3. ファンになる可能性がある

クレームを言うお客さんの中には、受け入れたことでそのお店のファンになる可能性があります。クレームはピンチでもありますが、対応によってはチャンスに変えることも可能です。お客さんがファンになるような対応をするように心がけましょう。

2.飲食店の正しいクレーム対応姿勢

飲食店に求められるクレーム対応姿勢について考えましょう。対応をする際は、次のような項目に注意をしながら、対応するようにしてください。

2-1.話を聞く

共通していることは、「何らかの不満を持っていること」です。まずは、クレーム対応をする際は、相手の話をしっかり聞くようにしましょう。この時、相手がどのようなことで怒っているのか、お店にはどのような問題があるのか、話をしている時のお客さんの態度はどのようなものか、というポイントに意識をしながら話を聞くようにしましょう。

内容によっては、話を真剣に聞くだけで問題が解決することもあります。話を聞く時は、相手の話を注意深く聞き、寄り添って話を聞くように心がけましょう。

2-2.謝罪をする

話を聞いた後は、必ず非を認め謝罪をしましょう。ここで大切なことは、誠心誠意を込めて謝罪をすることです。

謝罪をする時に気持ちがこもっていないと、お客さんがかえって怒ってしまうことが考えられます。このような事態になると、事態の収集に時間がかかってしまう可能性があるので、誠心誠意を込めて謝罪をするように心がけましょう。
このような時は、お客さんに非があったとしても、「お店として問題のある場所」をどのようにして改善をするかしっかりと謝罪するように意識をしてください。

2-3.真摯な対応をする

謝罪をした後は、真摯な対応をするようにしましょう。商品提供が遅いなどのすぐに解決できる場合は、すぐに解決するよう対処するようにしてください。この時、お詫びを込めて商品を提供するようにしてください。

すぐに対処できない問題の場合は、必要のある場合は連絡先を聞き、トラブル対処をするように心がけるようにしましょう。

3. 飲食店でよくあるクレーム

飲食店では、頻繁に発生するクレームがあります。それぞれのクレームに対してはどのようなことが必要なのか紹介していきましょう。

3-1.異物混入

最も多い内容が、異物混入です。特に髪の毛、虫などの異物混入はお店の信用度を下げてしまう事態になります。
このような料理を提供してしまった場合はすぐに対応するようにしましょう。この時、すぐに新しい料理と取り替えることを説明し、了承してから料理を作り直すようにしてください。

このようなトラブルが発生しないためにも、料理を提供する前に一度異物が入っていないか確認したうえで提供するように心がけてください。

3-2.接客態度の悪さ

クレームの中でも比較的多いのものが、接客態度の悪さです。特にこのようなクレームは目の届かない場所で発生します。さらに、スタッフ同士は好感の持てる人物でも、場合によってはお客さんに対して悪態をついてしまうということも珍しいことではありません。

特に自分の目の届いていない範囲でおこなわれた接客に対しての文句であれば、お客さんの言っていることは正しいと想定して謝罪をするようにしましょう。

3-3.提供に時間がかかる

提供に時間がかかるクレームは繁盛した時に発生しやすいクレームです。特に混雑している時にこのようなトラブルが頻繁に発生し、お客さんを待たせているのであれば、どのようにすれば問題が解決するのか、検討するようにしましょう。
料理の提供の場合、あらかじめ遅くなることが予想されるのであれば、事前に提供に時間がかかることを伝え、注文を聞くことも大切です。

提供時間を少しでも短くするため、素早く提供できるメニューとそうでないメニューを分け、提供するように心がけましょう。

3-4.調理に問題がある

ごく稀に提供した料理の味がおかしい、焼き具合に問題があるといったクレームが寄せられることがあります。

このような問題が発生した場合は、すぐに作り直しをするようにしましょう。また、刺身などの生もの場合は、最悪の場合料理を食べたお客さんが食中毒になる危険性も考えられます。

万が一このようなメニューを提供してしまった場合は誠心誠意謝罪をし、料理を作り直すようにしましょう。この時、食中毒の危険性が考えられる場合はお客さんの連絡先を聞き、問題があった場合は連絡をしてもらい、対処するといった万が一の対策も検討するようにしてください。

4. 悪質クレーマーへの対応

クレームをするお客さんの中には、お店に対して本当に不満を持っているお客さんではなくただクレームを言いたいだけの厄介な存在もいます。このような厄介な悪質なクレーマーにはどのような対応をすれば良いのでしょうか。

4-1.クレームによって対応を判断する

全てのクレームに同じような接し方をしていると、間違った対応をしてしまうことがあります。このような場合を想定して、クレーム内容を聞いてどのように対応をするか判断しましょう。

アルバイトスタッフなどで判断ができない場合は、責任者に交代するなど、トラブルを防ぐための仕組みを作っておくことも大切です。悪質なクレーマーとそうでないクレーマーで対応を変えるように心がけましょう。

4-2.不条理な要求に対しては真っ当な対応を避ける

中には、ただ言いがかりをつけて不条理なことを要求する人もいます。このようなお客さんに対して、穏便に済ませようと思い、こちらが譲歩する姿勢をとっても、受け入れられない可能性があります。

このようなクレーマーは、飲食店として相手にする必要がありません。この手の要求を受け入れると、その後も不条理な要求をするケースもあり、お店を経営するうえで障害になってしまうことが考えられます。
そのため、クレーム対応をするのではなく、こちらに非がない場合は毅然とした態度で対応しましょう。この時、法律などを提示して「要求を受け入れられない」とアピールすることが大切です。

それでも相手が納得いかず、自分の言い分を主張し続けるのであれば出入り禁止などの対応を検討しましょう。

4-3.落ち度の状況に合わせて対応をする

クレームにも、さまざまな内容が考えられます。状況によって異なりますが、その時の度合いに合わせたものを検討しましょう。
文句を言うことで商品を無料で提供してもらおうと考えているケースも珍しいことではありません。
商品を無料で提供する場合は明らかにお店側に落ち度のある時です。そうでなければ、口頭で謝罪をするなどその状況に合わせて対応をするようにしましょう。悪質なクレーマーが怒らないように対応することも大切ですが、お店を守ることも大切です。

特に迷惑料や慰謝料を払えと要求するケースもあります。このようなクレーマーはお客さんではありません。お店の経営を邪魔する迷惑な存在です。落ち度に合わせた謝罪で受け入れられない場合は、毅然とした態度で接し、要求を拒否するように心がけましょう。

4-4.法律の範囲を理解しておく

悪質な内容の中には法律を後ろ盾にクレームを要求する場合も考えられます。このような場合は、法律の範囲を正しく理解しておきましょう。

例えば、ドリンクなどをこぼし、お客さんの衣服を汚してしまった場合、どのような状況でどの程度対処しなければならないのか、お店で想定されるトラブル内でどの程度弁償をすべきなのかをあらかじめ把握しておきましょう。

4-5.クレーム担当者を決める

人を見てクレームをするケースもあります。そのため、クレーム客に対して全スタッフが対応するのではなく、対応するスタッフをあらかじめ決めておくようにしましょう。
謝罪だけで済まない場合は、担当の責任者がクレーム対応をし、お店の営業の邪魔にならないようにしましょう。

この時、マニュアルを作成しておくことが大切です。客に対しどのような方針で対応をするのか、お店で事前に決めておくと、その方針で動くことが可能なので、スムーズな対応が可能になります。ぜひ、クレーム対応を作成しておきましょう。

5. まとめ

クレーム対応は、飲食店を営業するうえでは避けることができないトラブルです。クレームが発生しても慌てることなく、正しい姿勢で対処しお店の価値を高めるようにしてください。
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